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ジャパンクリエーションocean lifecountry lifeasian life草木染めとは会場案内

草木染めコンセプト

 私たちが「エコロジー」のテーマに過去2年間こだわり続け、今年は更に飛躍し「草木染め」に至ったのは、生地製作において様々なエコ素材−和紙・ヘンプ・バンブー・生分解性繊維−を使いこなしながら、もっと地球・人にやさしい生地作りとは何かを考えたとき、化学染料ではなく天然染料を使った草木染めで染色する−草木染めの原料は岐阜県の豊かな自然がはぐくんだ農作物の皮や植物の落ち葉など、本来は廃棄する部分を使おう−と考えたのが今回の最大のコンセプトです。
今回草木染めの原料として選んだものは、全国的にも有名な岐阜県糸貫町の柿、今回はその皮を染め原料として用いました。その他、日本一のシェアを誇る岐阜県山岡町の寒天の原料「テングサ」、清流長良川沿いの赤ワイン原料のブドウの皮、陶磁器で有名な多治見市の磁器土等々です。
私たちの活動の中で草木染めは初めてのトライでした。この企画に当たって、草木染めの専門家である潟Vオンテック菱川恵介氏に岐阜県内の原料を使った草木染めについてお話を伺いました。『日本の中央に在する岐阜県は、山の幸も、海の幸も、濃縮されたエネルギーを感じます。古来から衣服の色は、色相、彩度、明度の色そのものを表現するよりも、その色を持つ植物や鉱物名で和歌を歌い、恋文で伝え、人の言葉で語られて来ました。それはその植物の持つ価値や、背景、由来が人にとって暖かく、やさしく、価値のあることをみんなが知っていたからです。21世紀に入って、昔とは又ちがった、新しい価値観を感じる時代に入った様ですが、そんな本来の草木染の意味を知る人との出会いが、未来を創るような感じがしました。濃縮されたエネルギーを持つ植物や鉱石で、着る人を元気にすることができれば、天然染料染色の最高の喜びになります。選ばれた柿は柿渋で知られた色ですが、人の傷を癒し、防腐効果、抑高血圧、しゃっくりを止めるなどの効能で知られています。乾柿で食され、おやつにも料理にも使われてきました。多治見の土の色は、陶芸の土の本来の色、すべてのものを受け入れ、人の毒素を取り、大地のエネルギーを伝えるやさしい色を持っています。それらは目に見えない伝達をたくさん持っています。今回の岐阜県デザイナー交流会の方々の創造性の中に、空気、風、光や音と共に役立つ何かが存在するはずです。植物の色素や泥の色素は応援する力です。地球の恩恵が何百年、何千年かけて創った材料ですから、どんな空間とも調和します。そして、世界中のだれもが何か感じる伝達力を持っています。それは地球上で生活し、大地に立ち、水を使い、木々や花を見ているからです。』
・・・わたしたちが数年に渡って追いかけてきた繊維のエコロジーへの挑戦は、今年、素材のエコロジー×染めのエコロジーに発展しました。昨今のエコロジーブーム、健康ブームによる自然志向の高まりや本物・オリジナルを求める人々の増加により注目度の高いこの分野に、これからもこだわってゆきたいと思います。